マナーとは人に対する思いやり

ここまで読んでも「マナーなんて女子供の気にすることだ」と思っている人もいるかもしれない。しかし、それは違う。

マナーは、コミュニケーションであり、人に対するセンス、思いやりだ。人をいかに快適にするかという気持ちがない人は、外見を繕っても限界がある。そして、マナーを軽視する人は最終的にはとても損なのだ。

「部長くらいまでは偏差値で判断される。でもその上はどんな判断が下りているのか、部長以下の人にはわからない。さらに上が、好きな人をつまみ上げているだけですから。なんで実力があるのに役員になれないんだという人は山ほどいる。出世した本人も『わからない。上に聞いてよ』と言うくらいです」

たかがマナーと思っても、その「小さなこと」が最終的なジャッジに影響してこないとは誰にも言えない。

「自分でなんとかできる程度のことでマイナス評価を受けるのなら、自分を変えたほうがいいに決まっています」

要するに、出世する男性はどの年代や性別、全方向から見て「隙がない」のだ。小さなことでも「マイナス」になることは努力して芽を摘んでいく。

たかがマナー、されどマナー。一流の男となるためには、常に「自分は人からどう見られているのか?」と意識の網を張り巡らすことが必要なのだろう。

安田 正(やすだ・ただし)
パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役
大手企業を中心に研修、コンサルティングを行う。著書『一流役員が実践している 仕事の哲学』がベストセラーに。
(コメンテーター=コンサルタント 安田 正)
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