残業をやめ、週休3日にすると、仕事時間は半分に減る。時間が半分にまで減ると、どんなにがんばったところで、これまでの仕事はこなせなくなる。がんばってもどうにもならないとわかると、人はがむしゃらにがんばるのをやめ、頭を使って別のやり方を考えるようになる。そのためには考える時間をどう確保するかがポイントとなる。今回紹介するアンケート調査の結果には、そのためのヒントが詰まっている。

調査は年収1500万円以上の人430人、同500万~600万円未満の人430人、あわせて860人の協力を得て、それぞれの手帳の使い方について回答してもらったものである。1500万円以上“稼ぐ人”と、500万円しか“稼げない人”との違いを見ていこう。

スケジューリングのコツ1
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スケジューリングのコツ1

最初の違いは、スケジュールの立て方である。「予定の始まりだけでなく、終わりの時間も書く」(スケジューリングのコツ1)という人が1500万円以上の人は4割近くを占め、500万円台の人の2倍という大きな差が出た。仕事のクオリティがある程度のレベルに達している人であれば、終わりの時間を自分で決めるのが当然だろう。漫然と仕事をこなすのではなく、より短い時間で仕事をどうこなせばいいのか、頭をフル回転させて考える。そのために時間設定は必要であり、時間を自分でコントロールできるようになれば、収入は当然伸びていく。

こういうと、「自分はまだ管理される側の立場であって、終わりの時間を自分では決められない」と反論する人もいるだろう。しかし、たとえば1時間とされた仕事だったら、45分で終えるよう、意識的に作業をするところから始めてみると、時間のコントロール感が手に入るものである。つまり管理職になってはじめて、自分の時間の管理ができるようになるのではなく、自分で時間のコントロールができる人が結果的に自分で自分の時間を管理できる立場になっていくと考えるほうが自然だろう。

調査概要 gooリサーチとの共同調査により、個人年収500万円台430人(うち男性94.2%)、1500万円台以上430人(うち男性95.3%)から有効回答を得た。20歳以上64歳以下が対象。調査期間は2009年9月11日から14日。
(構成=中村尚樹)