2014年10月2日(木)

なぜミドリムシは地球を救えるのか?

「進化系中小企業2.0」【5】ユーグレナ

PRESIDENT Online スペシャル

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ミドリムシ(学術名はユーグレナ)は植物と動物の両方の機能を持った不思議な藻類だが、その特性を活用して世界の食糧危機やエネルギー危機に立ち向かっている独創的なベンチャーがユーグレナだ。世界で初めて大量培養に成功、その動向が注目を集める。

植物と動物の機能を持つ不思議な藻類

2014年4月、全国のイトーヨーカ堂165店舗において、「ミドリムシカラダに委員会」プロジェクトの展開が始まった。これは、ミドリムシ入りの食品をメーカー8社と共同開発し、販売するものだ。

例えば、カゴメが野菜ジュース、ロッテがガム、カルビーがスナック菓子を開発した。

出雲充・ユーグレナ社長。

ミドリムシには植物に含まれるビタミンやミネラルの他に、動物に含まれるDHA、EPAなどの不飽和脂肪酸など59種類もの栄養素がバランスよく含まれ、消化率が93%にも達するほど効率的に体内に取り込まれるため、将来的な食料不足を補うサプリメントとして有望だ。

また、14年7月にはいすゞ自動車がミドリムシから作られたバイオディーゼル燃料を使って、同社藤沢工場のシャトルバスを定期運行する「デューゼルプロジェクト」を開始した。

ミドリムシは二酸化炭素を吸収して光合成を行う際に内部に油脂をため込むため、軽油に似た燃料を精製することができる。しかも、精製時には余計な廃棄物を出さない。二酸化炭素を消費しながらクリーンな燃料を生み出すという点において、地球環境に益することが期待されている。

この2つのプロジェクトの鍵を握っているのが東京都に本社を置くユーグレナというベンチャー企業だ。同社を創業した社長の出雲充(34歳)は「2030年までに本格的な“ミドリムシ社会”の仕組みを構築したい」と語る。

出雲はミドリムシが地球を救うと大学生時代から信じ続け、周囲の失笑や無関心にも挫けることなく、ミドリムシ社会への扉をこじ開けた勇気ある経営者である。

ミドリムシは学術名を「ユーグレナ」と呼ぶ単細胞の微細藻類の一種である。ミドリムシは植物のように光合成を行う一方、鞭毛を使って動物のように動き回ることのできる不思議な生き物である。水と光と二酸化炭素さえあれば生きていくことができる。

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