では、個人レベルで大量の仕事を抱えたときはどう対処すればいいか。吉山勇樹氏が優先順位の付け方の対策として語るのは、「二重マトリクス」だ。

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仕事優先度は「4象限」で決める

図を見てほしい。通常は仕事の「緊急度」と「重要度」の度合いで優先する仕事を決めればいいだろう<図(1)>。

このとき、顧客からのクレーム処理に代表されるような、緊急度も重要度も「大」の仕事の優先度が高いのはしかたがない。しかし、ダンドリのいい人ほど、緊急度が「小」でも重要度が「大」といえる、来期の事業計画資料の作成といった大切な仕事も「先行逃げ切り型」で進めていく傾向がある、と吉山氏は語る。さらに、吉山式コンサルティングの真骨頂はここから先だ。

「(1)のマトリクスのひとつの“窓”をさらに4つのマトリクスに分割するのです<図(2)>。その評価軸となるのは、『効果』と『難易度』。このことで、抱えている仕事をさらに細分化できて優先すべきタスクが明確になります。大きなプロジェクトの仕事も“粒度”を小さく分類できるのです。忙しくなるとパニック状態になりがちですが、二重のマトリクスなら、『今、何にフォーカスするべきか』がわかって心を落ち着かせて仕事を進められます」(吉山氏)

もし、重要度や効果といったことも判断つかないほど難解な仕事である場合こそ、前出の「相・連・報」を生かしてほしいという。

最初に上司に相談することで、互いに考える優先順位を一致させることができるのだ。自分はA→B→Cの順番だと考えていても、上司はC→B→Aと考えているかもしれない。もし、その意識共有ができていなかったら、「一番大事なあの仕事がまだ終わっていないの?」などと文句を言われることになるが、意見が一致していたら良好な関係のまま混乱なしに仕事を前進させることができる。

ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO
吉山勇樹

年間200日を超える企業・団体での研修・講演を。2013年1月に『シゴトダイエットのススメ』を刊行。
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