2014年8月21日(木)

ソーラーシェアリングの実験場(千葉市緑区)。

耕作を継続しながら、その農地で太陽光発電を行う取り組みを「ソーラーシェアリング」と呼ぶ。2011年4月に農水省指針にて一部認められたことで広がりを見せている。

実は、農作物にとって一定以上の太陽光は使いきれず、光合成には利用されない。ソーラーシェアリングでは、この「光飽和点」を超える太陽光を利用するため、耕作地の約3m上にスリット状の太陽光パネルを隙間を開けて設置する。農地を転用する必要がなく、農家は農業と発電の両方の収入を得ることができる。CHO技術研究所所長・長島彬氏は、「農業は収穫して売って初めて収入になる過酷な仕事だが、売電によって毎月の安定収入が得られ経営が安定し、農業が魅力ある仕事として復活する」と言う。

もちろん日本の電力事情にも貢献し、「日本の農地面積480万haの数%を太陽光発電に利用すれば日本の総電力量の30%以上を供給することが可能」とソーラーシェアリング協会理事の酒本道雄氏は語る。

ただ、課題も多い。農業委員会など現場に理解されておらず、融資をためらう金融機関も少なくない。そして、最大の問題は農家の高齢化だ。後継者の存在により、耕作の継続が担保されなければ、許可は下りないのだ。今回の農水省の通知は「営農の適切な継続」ということに重点をおいているため、耕作放棄地への設置も難しい。

とはいえ、農家にとって画期的な手法であることは確かだ。「1日も早く農業基本法、農地法を改正して農家がエネルギーと作物両方を供給する方法を確立すべきだ」(長島氏)。

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