スズキ「ワゴンR」の新機能とは

トヨタに迫られたスズキも黙ってはない。8月下旬に主力軽自動車「ワゴンR」をマイナーチェンジするが、それを機にJC08モード燃費を30km/リットルから32.4km/リットルに引き上げるという。このモデルの注目点は、アイドリングストップ装置を改良して発電機にモーター機能を持たせ、駆動力をアシストするシステムが採用されることだろう。

スズキ「ワゴンR」はモーター補助で燃費改善。

これはきわめて規模の小さなハイブリッドのようなものだが、コスト的には本格的なハイブリッドよりはるかに低く、すでにアイドリングストップがついているクルマに実装するのが簡単というメリットを持つ。4月にスズキは「エネチャージII」というこのシステムを技術発表会で公開。関係者は「小さいながら難題は多いが、できるだけ早くデビューさせたい」と語っていたが、予想以上に完成は速かった。ワゴンRだけでなく、コンパクトカーのスイフトに搭載するのも時間の問題とみられ、ライバルを引き離しにかかってくることは想像に難くない。

従来型のモデルの燃費はここ10年、加速度的に良くなってきており、前述のように交通の流れがスムーズなところでは20km/リットル台半ばくらいでスイスイと走れる時代がすでに到来しつつある。今日、日本市場は世界でも突出してハイブリッドカーの市場占有率が高いのだが、普通のクルマでも道路がそれほど混雑していない環境下では十分経済的に運用できるということが知れ渡るにつれ、その状況も次第に変化していく可能性がある。