職場の人間関係やキャリア、家族問題に悩む40代

箱庭療法をしながら、心理カウンセラーに話を聞いてもらった(左が筆者)。

店の入り口にあるミニチュアグッズの中から、今の気分で選んで行き、箱の中に並べて行く。それを眺めるカウンセラーの先生。ちなみにここでは5人前後の心理カウンセラーが、カフェ店員として常駐している。

出来上がった箱の中の世界を見て、カウンセラーは私が配置したグッズの意味を質問してくる。それに対して私はこんな感じで答えていく。

「この(箱庭の中の)鳥は、島から島へと自由に飛び回り、行く先々で珍しい動植物や自然現象に出会います。一方、このヨットは、契約者のためにここに滞在していないといけない。自由に動けない宿命で、ヨットはどこにでも飛んでいける鳥を横目に、現実を受け入れています……」

カウンセラーに話しながら、私は自分が心の奥底にこんな思いを抱えていたのかと、少し驚いた。カウンセラーは、私のそんな思いを、丁寧に優しく言語化していく。

「あなたの中には今、自由に動きたい欲求と、役割を全うしなければという義務感や責任感、2つの気持ちが併存しているんですね」

そうそう! そうなんです! 聞いてください、実は今こういう状況でかくかくじかじか……。先生は批判も、せずただただ聞いてくださる。この安心感たるや。

ちなみに「クレヨンでトーク」ではテーマを決めて、白い紙に自由に絵を書きながら、その絵に無意識的に表現されている自分の心の状態をカウンセラーが探してくれる。

「写真でトーク」ではいろいろな写真を選びながら並べていくことで、自分の心にある世界を表現する。

写真は切っても破いてもOKだ。

以上のようなセラピーの過程で自分の近況や胸の内を語りだすのは私だけではない。

「みなさん、普段は家族や友人など身近な人には言えないような胸中を打ち明けてくださいます。例えば20~30代男性は職場の人間関係や仕事内容、今後のビジョンについて、40代以降になるとキャリアチェンジに始まりや夫婦生活、子供のことなど各々今抱えている問題を話す方が多いですね」(ココロゴトカフェ広報担当)