今回の次官人事の黒幕は菅義偉官房長官!?

菅氏は小泉政権時代に総務大臣に就任。総務省に隠然たる力を持っている。

「地方議員出身で地方自治に詳しい菅氏は、総務省内の旧自治官僚ととくに懇意にしてきた。昨夏の次官人事では、旧自治省出身で同じ76年組の岡崎・大石の争いになり、岡崎次官が誕生したが、このとき菅氏は裏でこっそり“今回は消防庁長官で我慢してくれ。1年待て。この次の人事で必ず次官にするから”と裏で約束していたらしい。これの裏の意味は“櫻井潰し”です。要は、旧自治省出身の同期の間でポストをたらい回しにして、旧郵政のエースの櫻井に絶対に次官ポストを渡さないということです」(自民党旧郵政族関係者)

結局、今回の幹部人事では、事実上の人事権者とも言える菅官房長官が力を行使して、下馬評外の大石氏を次官に押し込んだということらしい。

収まらないのが櫻井氏と旧郵政省出身者、自民党の郵政族である。今回の人事では、大石氏の次官就任の一方で、櫻井氏の総務審議官留任も決まった。

「総務審議官の留任は異例だが、大石次官を飲む代わりに櫻井留任を官邸に飲ませた。櫻井氏を省内ナンバー2の総務審議官として留任させておけば、来年の次官人事で捲土重来を図れる、というわけです」(総務省関係者)

とはいえ79年入省組が次官の財務省を筆頭に、中央省庁ではこのところ若返りが進んでおり、76年組と77年組が争う総務省は国民からは異次元の存在に見える。世代交代の流れに逆行する国民不在のポスト争いは厳に慎むべきだ。

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