40代:通信会社勤務

ビジネスの現場で生きる
「考え抜く力」を習得

渡邊明
専攻:ビジネスアーキテクト専攻
入学年:2009年入学

経営全般について大学院でしっかり学び、経営者の視点で話ができるようになりたい――。こう考えたきっかけは、会社で中期経営計画を作成したことでした。それまでほかのビジネススクールで単科の講義を受けたりはしていたものの、作成した経営計画が、あまり良い評価を得られなかったのです。

K.I.T.虎ノ門大学院を選んだのは、説明会で「頭の使い方を学ぶ」という話を聞いて、「問題を発見し、解決するまでのプロセスが重視されている」と感じたからでした。財務やマーケティングといった個別の知識をいくらつけても、基本となる「考え抜く力」がなければ、その知識をビジネスの現場で役立てるのは難しい。クラスが少人数制で、1年間で修了できるのも良かったですね。

講義の中では、受講者それそれが仕事などで抱えている課題をテーマに発表する機会も多く、先生の指摘やクラスメートの意見が参考になりました。問題解決の直接的なヒントもたくさん得られましたね。またK.I.T.はゼミも充実していますが、自分で課題を探し、調査・実践を重ね、仮説を検証していくゼミのプロセスは、まさに経営そのもの。ゼミ仲間との議論も、重要思考という論理思考をベースに沿って行うので空中戦にならず、地に足がついたものになります。相手の意見を受け止め、それを踏まえて自分の考えを発信するスキルが上達しました。

現在は、ボランティアで学びに興味のある社会人へのワークショップも行っています。「学び、実践する」というサイクルは充実したキャリアを築くのに不可欠。このサイクルを回しはじめるきっかけのお手伝いを私なりにできればと思っています。
 

50代:自動認識システムメーカー役員

知的財産と国際標準化の学びを生かし
自分と会社にイノベーションを

西田浩一
専攻:知的創造システム専攻
入学年:2013年入学(単科履修は2012年より)

メーカーで海外工場の立ち上げなどを経験し、社長を経て会長になった2011年、教育機関で再び学びたいと思うようになりました。今の時代、メーカーもものづくりや販売戦略に加え、特許や標準化戦略といった知的財産の分野を経営の武器にしながら、顧客のニーズに沿った製品をつくる必要があります。ただ、せっかく新しいアイディアが出ても、上層部が古い考えでは受け入れられない。ならばまず自分が変わるため、会社の将来に役立つ新しいことを学びたいと考えたのです。

K.I.T.虎ノ門大学院は、知財やビジネスの幅広い科目を自由に選択でき、1年で修士も取れる柔軟な履修システムが特徴。そして何よりキヤノンや東芝など、日本を代表するメーカーの知財の第一線で活躍された先生の講義を、少人数のクラスで聴くことができます。

交渉学の授業もあり、始めは少し不思議に思いましたが、実は交渉は特許や標準化とも大いに関係がある。例えば家電メーカーが冷蔵庫を作るとき、A社はモーターの特許を、B社は冷蔵の特許を持っていて、両者が交渉してクロスライセンスで製品化を行うといったケースは多い。K.I.T.ではそういう実践の場面も含め、知財の基本から応用までをよく理解できました。

大学院で学ぶことで、技術や知的財産を専門とする社員とも、経営だけでなく、現場についての深い話ができるようになりました。今後も自分が変わりながら、未来の経営層を育て、会社も変化させていきたいですね。