神奈川県藤沢市の人気が高まる理由

4つめの「食」では、食料品店や飲食店が生活圏に豊富にあるかどうかをチェックします。いずれ車の運転が難しくなることを考えると、徒歩圏内に食料品店があることは欠かせない条件です。また毎日夫婦だけの食事をつくるのは意外に面倒なので、リタイア後は外食の機会が増えます。このとき駅前はチェーン店ばかりで、いつも似たようなメニューというのは寂しい。商店街が発展していて、食の自由度があるエリアがおすすめです。

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図4 地域コミュニティが成熟していそうな町ベスト10

老後の生活に意外に大きな影響を与えるキーワードが「快適さ」です。

伝統的に地域コミュニティが成熟したエリア(図4参照)は、お祭りなどの行事が盛んだったり、NPOの見守りサービスがあったりして、老後も快適に暮らせる条件が整っています。ただ、こういった地域は外からやってきた人を寄せつけないところもあり、必ずしも住みやすいとはいえません。たとえば、関西圏で5位に入っている京都市はなかなかいい物件の情報が外に出てこないし、住めたとしても外からきた人が溶け込むことはそう簡単ではない。私個人の印象ですが、リタイアしてすぐ4~5年暮らすのはよくても、外からきた人が骨をうずめる場所ではない気がします。

下町も一般的に地域コミュニティが発達していますが、そのコミュニティに溶け込めるかどうかは、社交性などの個人の性格が強く影響します。コミュニケーション力に自信がない人は、無理に地域コミュニティの発達したところを選ばなくてもいいのではないでしょうか。

最後の「安心」には2つの意味があります。まず「防災」という意味での安心です。地盤が緩かったり木造建築が密集している地域は防災上、高評価できません。またリタイア後は、「防犯」の観点も重要です。高齢者はひったくりなどの被害に遭いやすいため、治安のよさを重視したほうがいい。東京都では地域や犯罪種別ごとに犯罪発生率を公表しているので、参考にするといいでしょう。

以上の6つのキーワードをバランスよく満たしている町が、最大公約数的に住みやすい町といえます。もちろんすべての要素を均等に満たす必要はありません。自分の好みやライフスタイルに合わせて、特定のキーワードを重視してもいい。いずれにしても自分なりの方針を決めてから住む場所探しをしたほうが、後悔は少ないはずです。