人助けしたい子が増加

図を拡大
図1:東大生の志望職種の変化

大学の最高峰である東京大学の学生は、どういう職種を志望しているか。図1は、1986年と2012年のデータであるが、国や大学の公的研究職が最も多い。しかし以前よりも比率は大きく減っている(28.9%→18.2%)。官僚などの行政職や医師、法曹(弁護士や裁判官)などの専門職も減っている。

その代わり比重が増えているのは、民間の研究職や技術職(システムエンジニアなどを含む)だ。販売職や管理職(経営者や会社役員、議会議員などを含む)というカテゴリーが新設されていることも、東大生の志望職種の多様化を表しているとみられる。最近はいろいろな展望が開けているといえるだろう。

図を拡大
図2:東大生の志望職種決定の理由

なお東大生の職業観も変わってきている。志望職種決定の理由をみると、昔は「専門性」や「独創性」を発揮できるが多かったが、最近では「人助け・奉仕」の比重が高まっている(図2)。個人の能力を開花させることよりも、他人のために役立ちたいという「社会性」が出てきていることがわかる。

東大生の就職先といえば「官僚か法曹界か研究者」と以前はいわれていたが、それを覆す変化がここ20~30年で進行している。わが子を東大に入れたいと願う親も、偏狭なステレオタイプな考えは持たないほうがよさそうである。

舞田敏彦
武蔵野大学講師。教育統計学が専門。統計学を使い日本の教育や社会の問題を指摘するブログ「データえっせい」が注目を集めている。日本教育新聞などでもコラムを連載中。