暗闇効果は抜群!運動音痴でもあっという間の45分

「暗いので他人の目を気にせずにすむ安心感は、シャイな日本人にピッタリだと思います。また、暗さによる多少の不安感から心の距離が縮まるのか、レッスン後はずいぶん打ち解けた雰囲気で楽しげに会話している会員さんたちが多いですね」(Sueさん)

情報は十分に仕入れた。ほかの(できれば男性)会員さんと仲良くなれそうなのも、独女アラサーの筆者には嬉しい限り。これはトライしないわけにはいくまい。

最初にバイクの基本的な説明を受け、サドルを調整したりしていると、先ほどのSueさんが登場。我々の場所はかなり薄暗く、インストラクターのバイクがある場所だけがステージのようにライトが当たっている状態だ。そして、クラブに行かなくなって久しいが、本当にすごい大音量で音楽がかかってびっくり。SUEさんの軽快なトークも、なんだかDJイベントのようである。

告白しておくが、筆者は高校時代、体育が「2」だったほどの運動音痴である。もちろん運動部に所属したことなどないし、どんなにランニングが流行っても頑なに拒否してきた。体が動かないのだ。そのため、今回も非常にビビっていたし、実は体のラインがわかるトレーニングウエアに着替えると「ぽっちゃり」がバレバレな自分を見て、勝手にテンションダウンしたりしていたのだ。それが、開始1分ですでにちょっと楽しい。

レッスンはすべて音楽に合わせて行われる。曲ごとに指示があるので、手元でペダルの負荷を調整し、SUEさんの「ワンツーワンツー」という声に合わせてペダルを漕ぐのだ。さらに、ハンドルを使って腕立てをしたり、腹筋を鍛えたり、という合わせ技もある。

最初の3曲(初心者クラスのみ)は肩慣らし。「スピードアップ!」「スタンドアップ! 立ち漕ぎー!」などの指示に合わせて動くだけで「いっぱいいっぱい」だが、難しい動きはほとんどないし、ペダルは勝手に回っていくので、放っておけばかなりの運動になる。開始15分くらいで、岩盤浴に行ったかのように大量に汗をかいた。

そして、4曲目からは本当の暗闇に。Sueさん以外の人の姿は、時折ミラーボール(!)が回転したときでもないかぎり確認できない。

「見られない」メリットを実感したのはここからだ。