ところが、多くの人は物理に関心を払いません。難解でとっつきにくいイメージがあるためです。そこでお勧めしたい本があります。『話したくなる!つかえる物理』は力学、熱、波動、電磁気、原子と物理の各分野の基本概念を日常の身近な例によって解き明かします。タイトル通り、得た知識を話したくなるような物理の面白さを教えてくれる本です。『橋元の物理をはじめからていねいに』シリーズは中学レベルでつまずき、どうしても前に進めなくなった人が学び直すのに向いています。物理は問題を解くことがさらなる理解に繋がり、それがきっかけとなり好きになっていくものです。本書は解きやすい例題があるのが特徴で、その成功体験も味わわせてくれます。『漆原晃の物理I・II』シリーズは物理の考えを自由自在に活用できることを目指して書いた本です。長年の講師経験から、つまずきそうなところを学ぶ側の目線に立ちつまずかない工夫をしてあります。「使える物理」がインストールできるシリーズです。

歴史や英語は毎日コツコツと勉強することが大事ですが、物理や数学はある程度の時間をかけ、集中して学ぶほうがいいでしょう。自転車に乗ることを覚えるようなもので、一気に開眼し世界を見る目が変わる体験ができます。

●オススメの3冊

『大学入試 漆原晃の物理I・II 「力学・熱力学編」が面白いほどわかる本』
(漆原晃/中経出版)
――物理好きなら例題を解く楽しさが味わえる物理参考書。

『名人の授業 橋元の物理をはじめからていねいに 力学編』
(橋元淳一郎/東進ブックス)
――中学でつまずいた人が初歩から学び直すのに最適。

『話したくなる! つかえる物理』
(野口哲典/明日香出版社)
――馬力には英馬力と仏馬力があるとか、話のネタになるような身近な物理現象の話題が満載。
(相澤光一=構成 奈良岡 忠=撮影)
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