「会社の情報を社員にすべて公開すると、社員は自分の会社だと思って働いてくれます」と話す林高生社長。

同社が一躍脚光を浴びたのは2012年11月のこと。なにしろ同年4月に東証マザーズに上場したと思ったら、11月には東証第一部に昇格したからだ。その間わずか233日、もちろん史上最速である。しかも、話題になったのはそれだけではなかった。社長の林高生氏がなんと、中卒だったのだ。

林氏は岐阜県土岐市の裕福な陶芸家の家に生まれたが、9歳のときに父親が亡くなり、状況が一変。母親が1人で5人の子どもを育てるという困窮に陥った。当時の楽しみは、コンピュータで遊び、プログラミングを考えることだったという。

その後、母親は喫茶店を始めたものの、大きな借金を抱えることになってしまった。その結果、公立高校の受験に失敗した林氏は、学費の高い私立高校へ行くのをあきらめ、さまざまなアルバイトをしながら、大学入学資格検定を受けることにした。

本社のエントランス。そこには林高生社長が小学生のころに愛用したコンピュータも展示されている。

それには見事に合格したが、今度は家が差し押さえられてしまった。当然、大学どころではなくなり、少しでも割のよい稼ぎを求めてアルバイトを転々とし、友人と学習塾を立ち上げるなどした。しかし、それでも借金を返せるメドが立たず、1997年に得意のプログラミングで起業する決心をした。といっても、個人経営でソフト開発を請け負う仕事だった。

2000年にようやく有限会社を立ち上げ、海外テレビドラマ「特攻野郎Aチーム」が好きだったので、社名をエイチームとした。「社員はアルバイトを含め10人ほどで、主に携帯電話向けコンテンツ開発会社の下請けをしていました。納期が厳しく、単価も安いので、社員の士気もなかなか上がりませんでした。年間の利益も数万円といった感じでした」と林氏は当時を振り返る。