2014年7月4日(金)

「甘麹」使いたおし術

dancyu 2012年5月号

文・佐伯明子 撮影・工藤睦子 教える人:植松良枝(料理研究家)

「甘麹」という聞きなれない麹。それは米と米麹を糖化させてつくった、原始的な甘味の素。“ノンアルコールの甘酒”として市販されています。複合的な旨味を含んだ甘麹は、砂糖のない時代の貴重な甘味源でした。甘酒といっても、酒粕でつくるアルコールの入った甘酒とは違うので、今回の記事では「甘麹」と呼びます。

素材に寄り添うまあるい甘味

市販品を選ぶときは、できれば砂糖を添加していないものを。

砂糖のように、分量の加減を間違えると大きく味が変わってしまう調味料と違い、甘麹の甘味は穏やかで、目分量でも大きな失敗がない。

麹は、味噌、醤油、酢、酒など、日本の発酵食品づくりに欠かせない原料。麹と米のみを原料とし、甘く発酵させた甘麹は、砂糖が貴重だったその昔、“甘酒の素”として愛された。

甘麹を家庭でつくる人も増えているが、まずは気楽な市販品の利用からでも十分。和の食材のみならず、乳製品やフルーツとも好相性。多様化している現代日本人の食卓にも、違和感なく入ってこられるファジーさが頼もしい。

いつものレシピに一さじ、二さじ、おいしさの秘密は本当に“コレだけ”。この使い勝手のよさ、ウソかホントか、その効果、だまされたと思って、ぜひお試しいただき、実感してほしい。

甘麹使い1 乳製品にプラス

甘味の穏やかな甘麹は、乳製品の風味と好相性。蜂蜜や砂糖に比べて、たくさん加えても甘くなりすぎるということがないのでたっぷりどうぞ。朝食にも、麹の効果が期待できる。

【バナナラッシー】

バナナ1/2本を小さめにちぎってボウルに入れ、フォークで粘りが出るまでつぶし、プレーンヨーグルト1/2カップを加えてよく混ぜる。甘麹大さじ2~、牛乳1カップを加えて溶きのばす。

混ざり合ったバナナと甘麹の粒々感が、心地よいアクセント。スプーンを添えて、食べるドリンク風にどうぞ。

 

 

【クリームチーズディップ】

適当にちぎったクリームチーズと甘麹を、同量で混ぜ合わせるだけ。ところどころまだらに混ざり合っているくらいのほうがおいしい。

ベーグルに挟んだり、クラッカーにのせたり、スモークサーモンと合わせたつまみもお薦め。

 
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佐伯 明子