2014年6月12日(木)

カードローン500万で起業しました

働き方のリアル ベンチャー篇【10】イノーバ 宗像 淳

PRESIDENT Online スペシャル

著者
稲泉 連 いないずみ・れん
ノンフィクション作家

稲泉 連

1979年、東京都生まれ。2005年、『ぼくもいくさに征くのだけれど』で大宅壮一ノンフィクション賞を史上最年少で受賞。その他の著書に『仕事漂流』『復興の書店』など。

執筆記事一覧

稲泉連=インタビュー・構成
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イノーバ 宗像 淳
1975年生まれ。東京大学文学部卒業後、富士通、楽天、トーチライトを経て、2011年、イノーバ設立。同社代表取締役。

私はもともと大学を卒業後に富士通に入って、10年間勤めた後に楽天へ転職したんです。それから社員4人の三菱商事が出資するネクスパス(現トーチライト)というジョイントベンチャーで働いた後、2010年に今の会社をつくりました。最初は「イノーバ」ではなく「Zen Startup」という名前だったんですよ。あの頃、シリコンバレーで禅が流行っていて、確かスティーブ・ジョブスも禅に傾倒していたというし、まあ、これでいいかという感じで付けた社名でした。

今でこそうちの会社は「コンテンツマーケティング」を中心に事業をしていますが、当時はとにかく起業してみたかったというか、もしダメだったらいつでも引き返そうという気持ちでしたね。

その頃に読んだ本にピーター・シムズという人が書いた『Little Bets』という作品がありまして(邦題は『小さく賭けろ!』)、それを読むとアマゾンのジェフ・ベゾスもそれこそジョブズも最初は大きなリスクを取らず、小さな単位で実験を繰り返すことから始めていったんだ、というようなことが書かれていました。

だから、僕も起業するといってもそれをあまり大げさには考えず、次の職場を見つける転職活動をする前に、ちょっと起業っていうのをしてみたいから、試しに始めてみようというスタンスでした。最初はネットを利用したスポーツイベントや音楽イベントのプロモーションのサービスをしてみました。ただですね、ちょっと思惑と違ったのは、ぜんぜん儲からないこと(笑)。

当時、僕はまったく貯金がなくて、個人で背負った借金を自分の会社に貸し付けて会社を続けていました。貯金がなかったのには理由がありまして、実は富士通の時代に会社のMBA留学制度に応募してアメリカに留学していたんです。で、留学の費用を会社に出してもらったわけですが、留学後5年以内に退職する際は、誓約書でその費用を返す必要があるんです。その費用は親に借りて払いました。

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