Q. 忙しくて不規則な生活をしているのですが、やはり早寝早起きが理想的ですか?

そうですね。ある調査では、日本人の睡眠時間は世界で2番目に短いという結果が出ました。睡眠不足だとうつ病になりやすいという傾向があります。また生活が夜型化している人が多いのですが、体内リズムが後ろにずれ込んでいくと、これまたうつにはよくないんです。ただ、今流行りの「朝活」をしている人の中には、朝早く起きてはいるけれど、寝る時間が遅い人も多い。睡眠時間を削る朝活はダメですよ。

Q. 早く寝るのが大事ということですね。でも寝付きが悪くて……。

(PIXTA=写真)

休みの日でも毎日決まった時間に起きる、それと朝しっかり光を浴びる。これで体内リズムを整えること。それから夜寝る前の行動も大事です。パソコンの画面から出る光は交感神経を緊張させるため、寝る1時間半前にはスイッチを切ったほうがいい。スマホも同じです。どうしても眠れないときは寝床を離れてリラックスし、本当に眠くなってから寝床へ行くようにしてください。眠れないと思い込むと、よけいに不安が高じて眠れなくなります。入眠しやすくするアロマやサプリなどもありますが、これが合う合わないは個人差が大きい。効果が感じられないのに何万円も使っている人もいますが、合わないと思ったら深追いはやめることです。

Q. 休みの日に寝だめをしてはいけないんですか?

寝不足が蓄積していくことを「睡眠負債」と呼びますが、借金は寝ることで返済できます。しかし、元からない借金を返すことはできない、つまり寝だめはできないんです。また慢性的な寝不足は、1日たくさん寝たくらいでは返しきれません。

Q. では、どうしても眠いとき、昼寝は効果的ですか?

寝不足はどこかで補う必要がありますから、昼寝をするのもいいでしょう。しかし30分を超えると深い眠りが出てきて、起きたときボーッとすることが多い。夜の快眠のためにも、30分以内にとどめてください。また昼寝をする前にコーヒーを飲んでおくと、カフェインの血中濃度が上がるのに30分ほどかかるので、ちょうど目が覚めたときにすっきりしますよ。

睡眠総合ケアクリニック代々木理事長 井上雄一 
東京医科大学精神医学講座、同睡眠学講座教授。厚生労働省が後援するSAS 睡眠時無呼吸発見プロジェクトの代表顧問を務める。近著に『睡眠障害で眠れない夜の不安をみるみる解消する200%の基本ワザ』。
(澁谷高晴=撮影 PIXTA=写真)
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