一緒に成長できる人と働きたい

プロジェクトベースの働き方は、これからの日本にとって、とても重要なことである気がします。多くの大企業を見ればわかる通り、日本には「壊さない文化」がありますよね。一方でアメリカにはブレイクして新しく始めた方がいい、という文化がある。

その2つの文化は融合したほうがいいと僕は思いますね。新しいベンチャー的な人たちが次々に生まれて、従来の文化と融合することであらたな文化を形成する――そんなフェーズがまさに目前に来ようとしている。こうした会社で働いていると、その変化の兆しをひしひしと感じます。

それに、その変化がなければ日本の産業は相当に苦しい立場に追いやられるんじゃないかな。作物が自給できず人口も減っていく日本では、知的生産性を高める何かを増やしていくしかない。そのためには個人として自立したい人がきちんと自立し、活き活きと活躍できる社会をつくらないといけないと思うんです。僕らがその一つになっていければいい。

この会社に来たことによる自分自身の変化について言えば、以前は自分よりも能力のある人、自分よりも優れている人と一緒に働きたいと思っていたけれど、いまは一緒に成長できる人と働きたいと考えるようにもなりました。

一緒に成長していると、負けられなくなるからです。一人だけで成長していても面白くないし、寂しいじゃないですか。横で岡野さんが頑張っている、溝口さんが頑張っていると思うからこそ、自分も頑張らないといけないと感じられるわけで。

周囲の友人たちからは、なんでそんなに生き急いでいるのか、ってよく言われます。僕が向かっているのは……、なんだろう、何に向かっているんだろうなあ。

結局、何のために働くかを考えても、そこにゴールってないんですよね。人生って走れば走る程ゴールが遠ざかっていく。高校生の時は大学に向かって走っていたけれど、入った瞬間に「あれ? ここ全然ゴールとちゃうやん」と思った。会社をつくって社長になったら、今度はやっぱり何かが始まるスタート地点にいただけでした。

だから、いまはこう思うんです。自分が走っているのは、走っていると周りの風景が変わっていくからなんだ、って。いま見ている景色と去年の景色はまったく違います。電車に乗って窓から外を眺めているのと同じで、そうやって見える景色が変わっていくこと自体が、いまの僕には大事なんでしょうね。

FiNC:ヘルスケアの領域でサービス開発、遺伝子検査・体内検査事業などを行う。主力サービスはREPUL「オンラインダイエット家庭教師」、REPUL「オンラインワークス」。社員数20人。現在、東京都の創業支援施設「ライフサイエンスインキュベーションセンター」にオフィスを構える。
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