学生時代、アフリカでコンサル

私が「みんなのウェディング」に入社したのは、2013年10月のことでした。卒業が9月になったのは、学生時代にどうしても海外に行きたくて、交換留学制度を利用してアメリカのオクラホマ州立大学に1年間通っていたからです。

アメリカ留学中には、所属していたアントレプレナーシップ学部の学長が主宰している起業家支援プロジェクトに応募した経験があります。学内でもとても厳しく、強烈な経営者としても有名な学長の圧迫面接は、今でも忘れられません。いわゆるコンサル会社のケース面接のようなもので、私の頭では考えたこともないような壮大な課題を出されました。

面接後は自分の頭の悪さに相当へこみました。でも、結果はまさかの合格。理由を学長に尋ねたところ、「今の君に問題解決能力はない。けれども、課題に対して真剣に取り組む粘り強さや、絶対にプロジェクトに参加すると決めている覚悟に、心を動かされたよ」と言われたんです。あのときは本当に嬉しかったですね。

実際、南アフリカに行って、世界各国から集まる“学生コンサルタント”のメンバーとともに、立ち上げたばかりの会社を支援しました。そのときの体験が今、仕事をするうえでのベースになっているように思います。

私たちが担当したのは黒人初の印刷屋さんと、高級ホテル向けのネイルサロンやマッサージなどを提供する会社でした。南アフリカは貧しさと豊かさが隣り合わせにあるような国で、スラム街では輸出用のコンテナの中で電気もなく営業しているお店もありました。

そんな彼らのもとで、ビジネスを続けていくうえで必要な登記や財務の処理、営業活動やマーケティングのお手伝いをしたのは大きな体験でした。違う人種、違う国の人たちとチームを組んでいると、うまくいかないこともたくさんあるわけです。そのなかで一つのことをどうにか成し遂げたときの達成感が、本当にかけがえのないものに思えた。結果、日本人初のコミュニティ・リーダーシップ賞など、たくさんの賞をもらいました。このことは自分の自信になりましたね。