オリンピックに出場し、メダルを獲得したアスリートたちには、「遠い目標」を目指す、「根拠のない自信」があったという人たちが多い。根拠のない自信があるからこそ、それを裏付ける努力もできる。必ずそこに行けると信じているからこそ、苦しい練習にも耐えることができる。根拠のない自信が、遠い目標に向かって努力をするための「安全基地」になってくれるのだ。

すぐれたアスリートが共通して持っている資質がもう1つ。根拠のない自信を持ちつつも、今の自分には「ダメ出し」ができるということ。目標に対して、どこが足りないのか、何が欠けているのかを、冷静に見つめることができる。

アスリートが、インタビューなどで慎重な言い回しをすることが多いのも、自分の現状を冷静に見ているからである。大言壮語しても、実際にできないと仕方がない。実際に何かをするには、具体的に積み上げるしかない。自分で体を張っているアスリートは、それを知っている。

以上のポイントをまとめよう。遠い目標のために、今、ここを頑張る。根拠のない自信を、努力のための安全基地にする。今の自分に対して、ダメ出しをすることができる。

ソチ五輪は終わったが、こんなアスリートたちの生き方を参考にして、私たちの一人ひとりの「人生のオリンピック」で大いに活躍したい。

(写真=AFLO)
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