シャープ ヘルシオお茶プレッソ

「原点に立ち返ってお茶メーカーを作り上げないか」

「我々が目指したお茶メーカーの本質は別のところにあったはず。それをいつの間にか忘れてしまっていた。もう一度、原点に立ち返ってお茶メーカーを作り上げないか」

田村氏の穏やかでありながら、それでいて力強い言葉に、プロジェクトチームのメンバーも、その意味を徐々に理解し始めた。

「このまま製品化しても失敗に終わるだろう。そして、これは失敗が許されない製品であるという気持ちがプロジェクトメンバーのなかにもあった。ここで再度原点に立ち返ることができたことが、お茶プレッソの製品化につながっている」と田村氏は振り返る。

では、シャープが目指したお茶メーカーの原点とはなにか。

そこに触れるには、少し時計の針を戻すのがいいだろう。

シャープには、ヘルシオというブランドがある。

第1号機は、2004年に過熱水蒸気で調理するウォーターオーブン。現在では、炊飯器、ジュースプレッソをヘルシオブランドで展開。お茶プレッソが4番目の製品となる。

ヘルシオに共通しているのは、その名称が「ヘルシー」を語源としているように、健康に配慮した調理家電であるという点だ。

ウォーターオーブンの場合は、過熱水蒸気の特徴を生かして、脱油、減塩しながらも、ビタミンCやタウリンを残し、健康で、美味しい食事を実現できるのが特徴だ。

今年発売から10周年の節目を迎えるヘルシオだが、田村氏は、ヘルシオの海外向け製品企画の部長を務め、中国やアジア市場に向けてヘルシオの事業拡大に取り組んできた経緯がある。その田村氏が現在の新規事業推進プロジェクトチームを担当しはじめたのが2011年4月のことだ。同年12月には、髪につやとうるおいを与えることができるプラズマクラスターイオンを搭載した「プラズマクラスタードライヤー」を製品化。そして、2012年6月には低速圧縮方式により、素材の美味しさと栄養を残しながらジュースがつくれる「ヘルシオジュースプレッソ」、同年10月にはお米の栄養を守りながらおいしいご飯を炊くことができる「ヘルシオ炊飯器」をそれぞれ製品化した。