引き出しが多いほど、仕事は面白くなる

シニアリーダーになっていくほど、戦略も業務もより広く、より長く捉えることが求められます。責任は重くなりますが、取り組むスケールも大きくなる。大きなプレッシャーになりますが、様々なチャレンジを前向きに楽しむことができるとよいと考えるようにしています。

入社してすぐ工場でモノづくりの現場を経験できなかったのは、女性だったからかもしれません。でもその代わりにマーケティングや広報を経験し、新しい自分を見つけるチャンスを得ました。挫折と感じることも何事もポジティブに捉えていけば、物事は良い方向に進むものだと、今では思うことができます。

私の仕事道具:文具にはこだわりがある。「考えるとき」は鉛筆、「決めるとき」は万年筆で書く。

全く異なる業務にゼロから取り組むのはエネルギーが要りますが、自分の引き出しは増える。引き出しが多いほど、視点もできることの幅も広がって仕事が面白くなると思います。枠を超えるチャンスが到来したなら思い切って超えて、いままでの自分を変えてみるのもよいのではないでしょうか。枠から出なければ自分で未来を固定してしまいます。

一方で変えることばかり優先しては根無し草です。幸運にも出会えた仕事では地に足をつけ、専門性を高めたい。そして枠を超えるときも自分らしさを失わないでチャレンジしたいものです。

私自身はいつも自然体であることを“旨”としてやってきましたし、これからもそれを貫いていきたいと考えています。

永井 隆=構成 向井 渉=撮影