まず、出資するFX運用会社だが、成功報酬制を取っている。要は、儲けの一部が運用会社の報酬になるが、その率は儲けの40%と極めて高い。仮にこのFX運用会社に何ら怪しい点がなかったとしても、この運用報酬の高さだけで、運用先としては不適切ということになる。

また、アフィリエイト広告の対象は、このFX運用会社のほか、複数の海外FX会社が含まれているが、これらFX会社の信用力を調べても、関連する情報は一切開示されていなかった。

ちなみに、このマルチ商法的な展開をしている大もとの会社は、中南米の小国であるベリーズが本拠地だが、ウェブサイト上の住所はこの会社とは全く関係のない会社だった。ベリーズはタックスヘイブンで、世界各国からペーパーカンパニーの設立を請け負う。住所を貸すことくらい朝飯前だろう。

セミナーの演壇に立った人物は開始前にこう言った。

「私はこの会社の者ではありません。海外投資の専門家です」

そして、最後までこの会社の社員は1人も姿を見せなかった。

恐らく彼らの言い分はこうだ。

「我々はあくまで海外の事業体で、日本で営業をしていない。このスキームに興味を持った人が勝手に申し込んだだけだ」

定期的にセミナーを開催している以上、それが営業行為でないというのは、詭弁だが、彼らの行為が日本国内における営業とみなされれば、FXによる一任勘定スキームを無登録で日本国内で営業したとされ、国内法に抵触する恐れがある。

この手の怪しい金融商品、スキームに引っ掛からないためには、リターンの源泉が不明なもの、破綻が生じた場合のセーフティネットがないもの、高いリターンが確約されているものには近づかないこと。ちょっとでも「怪しい」と思ったら、インターネットで検索すれば、大概はさまざまな噂が、ネット上に飛び交っている。「火のないところに煙は立たない」ものなのだ。

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