こんなにある! 父母会のメリット

話が大きくなりすぎたので、戻しましょう。

父母会の役員になって戸惑っている方には、「転んでもただでは起きない」精神でいってほしいと思います。

子育てをする上で、地域の親同士でつながることはとても大きなメリットがあります。私自身、父母会活動で仲よくなった友だちとは、お迎えを助け合ったり、土日に預け合ったりしました。父母会活動は、クラスの他の保護者との関係が深まると同時に、保育園との関係も急接近する機会になりました。園長先生から直接いろいろな話を聞くことができて、園のようすもよくわかるようになり、安心感が大きくなりました。また、私はサラリーマン家庭に育ち、職場でも似たりよったりの人間関係しかもてなかったのですが、保育園ではいろいろな職業の人たちと出会うことができました。

父母会の役員をやりたくないから父母会のない保育園を選ぶという人もいるようですが、それはいろんなチャンスを捨ててしまっているかもしれません。

保育園は働く親ばかりですから、本当に困ったときはきっと理解してもらえます。どうしても心配なら、家族の事情や仕事の事情で、役員をやる時期を調整してもらってもいいでしょう。私は、下の子の育児休業中に父母会長をやりました。

父母会役員はできる範囲でやれることをやる気持ちで十分だと思います。幸い、保育園にしても父母会にしても、それが許される小さな組織なのです。

保育園を考える親の会代表 普光院亜紀
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経てフリーランスライターに。93年より「保育園を考える親の会」代表(http://www.eqg.org/oyanokai/)。出版社勤務当時は自身も2人の子どもを保育園などに預けて働く。現在は、国や自治体の保育関係の委員、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』(集英社新書)、『働くママ&パパの子育て110の知恵』(保育園を考える親の会編、医学通信社)ほか多数。