民間のベビーシッターは、保育料が高め

保育園ではカバーできない時間に頼みたい、保育園に入っていない子どもを預けたい、という場合には、ベビーシッターを頼む方法がある。今回の事件の例は、個人でおこなっているベビーシッターだったが、一般的にベビーシッターサービスは、民間の企業が運営している場合が多い。利用する前に会員登録し、1時間あたり1500~2000円くらい、最低で2~3時間以上から頼め、プラス交通費が実費でかかる。

しかし、キチンとしているところほど、会員登録の際に入会金がかかったり、何日前までに予約をしないといけなかったり、保育料が高かったりということがある。急に入った仕事にはなかなか対応できないのである。

今回の事件のベビーシッターは、個人で行っているが、ベビーシッターのマッチングサイトに登録することで、利用者を獲得していた。ベビーシッター会社に依頼するよりも、安価で融通がきいたのではないかと思う。

会社員の場合は、ベビーシッター料金の割引が受けられる制度も

パパかママが厚生年金を納めている会社員の場合は、厚生労働省の助成事業で、こども未来財団が発行している「ベビーシッター育児支援割引券」が使える。これは、夫婦共働きの場合、自宅でベビーシッターを利用した料金が割引になる制度(対象は小学校3年生まで)。財団と契約したベビーシッター業者に頼む場合に限られるが、1日につき1700円の割引が受けられる。

割引券を利用したい場合は、まず、勤務先の会社がこども未来財団の認定を受けているかどうかを確認。割引券の申し込みは、個人ではなく、勤務先の会社が行うことになっている。認定後に申し込むと、割引券が勤務先に発券されるので、それを提示して利用する。

割引券は1日1家庭1回使用可能。1カ月に24枚まで、1年間に280枚までが上限。

この割引券は、厚生年金を納めている会社員でないと利用できないし、ベビーシッター業者も限られている。しかし、1日3時間程度民間のベビーシッターを頼むと5000~6000円かかるところ、1700円引きになるのは大きい。自分の場合は利用できないか調べてみよう。

自治体が行っているファミリー・サポート、ショートステイ

調べてほしいのが、自治体で実施している「ファミリー・サポート」だ。市区町村が主体となって設立する「ファミリー・サポート・センター」というところが、厚生労働省からの助成を受けて行っている。育児や介護などの援助を受けたい人と援助できる人が登録しておき、援助を受けたい人が利用を申し込むと近所のサポートできる人を紹介してくれる仕組み。

地域の助け合いが基本精神になっているので、民間のベビーシッターよりも保育料は安く、1時間あたり700~900円くらい。

この制度の問題点は、援助を受けたい人が圧倒的に多く、援助できる人が少ないため、利用したいときに確実に利用できるかどうかわからない点。さらに、自治体によっては設置されていない場合もあるということだ。

宿泊を伴う保育が必要な場合は、自治体が指定した施設で「ショートステイ」を実施している場合もある。ショートステイは、保護者が病気、出産、冠婚葬祭、出張などの理由で子どもの保育ができない場合に、一時的に預かり、食事、通園、通学などの援助をするものだ。原則として、年間7日以内としている自治体が多い。

これは、イレギュラーな場合を想定して作られた制度なので、定期的に夜に働く親向けにはできていない。