2014年5月9日(金)

オリーブオイルでつくる酒のアテ

dancyu 2012年4月号

文・堀越典子 撮影・牧田健太郎 教える人:瀬尾幸子(料理研究家)

塩辛、酒盗、海鼠腸(このわた)。いずれも日本酒の肴として王道をいく珍味だが、ほんとかね? と首をかしげること再三。魚介の珍味の強い風味に合うと、酒がきゅっと萎縮するように感じることが多いからだ。舌の上で旨味の花が開かない。盃が止まってしまう。文字通り「いただけない」のである。

「それは、やっぱり日本酒の味がモダンになっているからでしょう」と話すのは、料理研究家の瀬尾幸子さん。よく磨いた米で醸すいまどきの日本酒は、全体に雑味が少なく、香りも洗練されている。昔ながらのアクの強い珍味が相手では、力負けもしよう。

となれば、新世代の日本酒は、どんな“珍味”で飲めば? 瀬尾さんが選んだのは、オリーブオイル。日本酒よりワインのつまみに近いイメージだが、和のテイストを巧みに組み合わせることで、新しい妙味が生まれるから面白い。いたって簡単、シンプルな料理でも、日本酒を呼ぶコクがすっと備わる。

「ひねりすぎない。簡単なのがいいの。つまみは脳みそじゃなくて、欲望から生まれるのよ」と瀬尾さん。いやはや、感じ入りました。

鶏胸肉のオリーブオイル煮
フルーティーな冷酒、辛口の燗、どちらもOK!

■鶏胸肉のオリーブオイル煮
【材料(2人分)】
鶏胸肉……1枚(250~300g)、塩……大さじ1、オリーブオイル400ml、ベビーリーフ、マヨネーズ、粗挽き黒胡椒、E.V.オリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル)……各適量
【つくり方】
1.鶏胸肉に塩をまぶし、10分置く。
2.(1)を水で洗って塩を落とし、キッチンペーパーで水気をしっかり拭く。
3.鍋に(2)を入れ、オリーブオイルをかぶるくらいに注ぎ、火にかける。泡が立たないくらいの温度(70℃前後)を保ちながら、10分ほど火を通す。肉の色が白っぽくなり、竹串を刺してすっと通るくらいになればOK。
4.表面の油を拭き取り、厚さ5mmのそぎ切りにする。ベビーリーフとともに器に盛り、E.V.オリーブオイル、マヨネーズをかけ、粗挽き黒胡椒をあしらう。あればレモンを添える。

白菜の漬物 オリーブオイル風味
副菜の素っ気なさが消えてアテらしい艶っぽさに。

■白菜の漬物 オリーブオイル風味
【材料(2人分)】
白菜漬け(浅漬け)……80g、E.V.オリーブオイル……小さじ2、鰹節……2g、醤油、レモン汁……各適量
【つくり方】
1.白菜漬けは一口大に切る。
2.器に(1)を盛り、E.V.オリーブオイルを回しかける。鰹節をのせ、好みで醤油、レモン汁をふる。

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堀越 典子