再雇用後の勤務体系は定年前と変わらぬフルタイム勤務。給与は現役時代よりずいぶん減額されたが、企業年金もあり、仕事のやりがいを考えれば満足しているという。すでに住宅ローンの支払いも終え、子供2人も独立している。

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「社内コンサル」でやりがいも、お金も、趣味も獲得

プライベートの時間も十分にとれるようになったという。趣味は陶芸と料理。陶芸は以前妻と一緒に始めたが、今も全国各地に出かけては轆轤(ろくろ)を回している。得意な料理は天ぷらと煮込み料理。自身が作成した器に自慢の料理を盛って、家族と食事をするのも楽しみの一つと語る。

近所の陶芸教室に通っているが、陶芸仲間との気さくな触れ合いも大事にしている。65歳の退職後は、培ったファシリテーションやコーチングのスキルを生かして地域に溶け込み、地域コミュニティの活動に貢献したいと思っている。

55歳以降に培った力が再雇用後も、リタイア後も生きていく。前出のキャリアカウンセラーの中村氏も「少なくとも55歳のときに自分のキャリアを振り返り、アピールできる実績とは何かを考え、不足しているスキルや知識を補っておくことが大事です。また、趣味の仲間も含めて社内外の人脈づくりをしておくこと。今後は会社も社会もそれほど面倒を見てくれません。人間関係を築いた人には、定年後に自ずと仕事のお声がかかります」とアドバイスする。

(武島 亨=撮影)
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