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男性vs女性でこんなに違う

大塚さんは、「人間関係をつくるにも『旬』がある」と言う。実は老後も一緒に遊べるような人間関係を築くのは、30~40代のうちが旬。というのも、子供を通して地域社会に知り合いができるからだ。60歳を過ぎてから趣味のサークルなどに入ってもいいが、入り込むのに苦労する。その点、子供の学園祭の準備などで苦労をともにした人たちとの絆は深く、子供が卒業しても縁が切れない。

「40代はちょうど仕事が忙しくなる頃ですし、子供の学校行事などは奥さん任せという人も多いと思います。でもここが勝負どき。成人してからの子供との関係が希薄なものにならないためにも、積極的に役員などを買って出ましょう」

家族との関係についての後悔も目立つ。2位「親とよく話をすればよかった」、4位「子供とよく話をすればよかった」と、親子間のコミュニケーション不足を後悔する声が多かった。一方、「夫婦でよく話をすればよかった」は8位と、それほど高くない。では、夫婦間のコミュニケーションは十分なのかというと、女性のランキングでは、3位に「もっと結婚を慎重に考えればよかった」、20位にはもっと直接的に「離婚すればよかった」がランクイン。結婚に対する後悔が男性よりもかなり強いことが見て取れる。夫婦のコミュニケーションが十分なわけではなく、妻はすでにコミュニケーションを諦めているのかもしれない。

会社以外の居場所をつくっておこう

そんな妻の気持ちも知らず、退職したらやることもなく、家で妻にまとわりついて「濡れ落ち葉」と言われ、果ては熟年離婚……そんなことにならないためにも、特に男性は今のうちから、家庭と会社以外の居場所をつくっておくことを大塚さんは勧める。

「僕は自営業の家の長男だったので、地域の消防団に入っていたんです。そこにはいろいろな職業の人がいて、会社のような均質な人間の集まりとはまったく違う世界。仕事ができるかどうかじゃなくて、『話が面白い』とか『手先が器用』とか、別の規準で評価されるんです」