マンション購入の成否のカギは不動産会社選びにある。不動産会社と一口にいっても、その役割は分業されており、新築マンションで4種類の業者、中古マンションなら3種類の業者が関わってくる。

業者の選び方3タイプ

業者の選び方3タイプ

新築マンションに関わる業者は(1)売り主(分譲会社)(2)施工会社(3)販売会社(4)管理会社の4つ。中古マンションなら(1)売り主(個人・不動産会社)(2)仲介会社(3)管理会社の3つである。

それぞれの役割と重要性を説明していこう。まず新築マンション選びで重視すべきは、分譲会社である。購入の契約相手が分譲会社となるからだ。

もっとも購入を決めるまでの対応は販売会社が担当するので、販売会社の営業担当者の対応がよければ買いたくなるし、悪ければストレスになるのが、お客の心情というものだろう。

新築物件は分譲会社選びがカギになる

新築物件は分譲会社選びがカギになる

しかし、販売会社は契約後は役目を終える存在であり、マンションのよしあしとは関係ない。何かあった場合に責任を負うのは基本的に分譲会社である。したがって分譲会社は「潰れない」ことが最低条件だが、いまの時代はその判断が難しく、経営基盤のしっかりした大手、つまり三井・三菱のような財閥系か、東急などの電鉄系の分譲会社が無難としかいいようがない。

ところが、大手の分譲マンションは、好立地で上質なものを供給するため、価格が高く、物件数も限定されがちだ。

そこで、中堅分譲会社の「売り手のポリシーが反映されたマンション」に目を向けてみるのも一つの方法だ。例えば、内廊下などプライバシー重視のプランを強みに持つサンウッド、外壁にツタをはわせて環境共生をうたうリブランなど。これらの会社は特徴のあるマンションを安定して供給している点が評価できる。

中堅分譲会社からの購入を前提とするときのもう一つの選択肢は、「資産価値が落ちにくい物件」だ。つまり、いざというときに売りやすい、あるいは借り手がつきやすいマンションである。具体的には駅から近く、ほどほどの広さであること。今後は共働き家庭が増えるので、通勤に便利な地域で駅から徒歩10分、できれば5分圏内が望ましい。また、高齢者世帯や一人世帯が増えることを考慮すると、50~70平方メートルほどのあまり広すぎない物件がよいだろう。