浮かびあがる疑問を解決する手法

エイカー氏のプレゼンの流れは、問題を提議し解決すると、また次の疑問がわきあがり、それをまた解決していくという流れが見られる。

・脳は、成功するたびに成功の定義を再設定する

「良い成績を取れば『もっと良い成績を取ったら成功』……と、脳はいつも、幸せを感じるための“成功”をいつも一歩先に設定してしまう」とエイカー氏はいう。こんな具合に、私たちが「成功したら幸せになれる」と考えた結果、脳は幸せを感じるための“成功”をいつも一歩先に再設定して、ストレスを生み出してしまうのだ。

そこで「ストレスはどう脳の機能に影響するのか?」という疑問が浮かぶと、こんなデータで脳の機能を補足する。

・ポジティブな脳は、ネガティブな状態やストレス下の脳よりも機能する

「ポジティブな状態にある場合、脳はネガティブな状態よりも31%生産性が高くなり、販売成績では37%上がるという調査結果が出ています。ネガティブな状態やニュートラルな状態の時よりもポジティブな状態の時の医師の診断結果は19%も正確になります」

さらに、この数字データの提示を言葉にまとめて置き換えていく。

・「成功すれば幸せ」なのではなく、「幸せだと成功する」

「ドーパミンには 2つの役割があります 幸福感を引き起こすだけでなく あらゆる学習機能をオンにして、世界に対して違ったやり方で適応できるようにすることです。つまり、「幸せだ!」と感じながら活動をすることで、学習機能をオンにするドーパミンが分泌されて、脳はより熱心に早く知的に動くのです。」

つまり「成功すれば幸せ」なのではなく、「幸せだと成功する」というわけだ。

「仕事上の成功は、IQによって予測できるのは25%だけで、残りの75%は楽観度合いや、周りからのサポート、ストレスを脅威ではなく挑戦と受け取る能力にかかっているとわかっています」

そして、具体的にどんな風に脳を訓練するかを提示することで、この研究をより聞き手の身近な生活に落とし込んでいく。