今年2月、リクナビNEXTが発表した「女性管理職に関する実態調査」によると、女性上司は男性上司と比べて、かなり寂しい身の上であることも判明しました。

たとえば、男性管理職は8割が既婚者なのに、女性管理職は半数近くが未婚でした。

また、男性管理職は8割が子持ちなのに、女性管理職は過半数が子供がいません。

懐事情も女性管理職は男性管理職に比べて寂しく、男性管理職の平均年収は890.6万円なのに、女性管理職は618.9万円と実に250万円以上の開きがありました。

家庭を持つことを犠牲にしてまでも仕事して会社に尽くしてきたのに、年収は男性に遠く及ばない……こんな現状では、若い女性が「管理職になりたくない」と感じてしまうのは仕方がない気がします。

では、どうすれば、女性社員に、管理職になってみたいと思わせられるのか?

まずは、「家庭と仕事を両立させながら、管理職として活躍する」女性管理職の事例を増やすことだと思います。

もっとも、現状の日本の企業は、育休の延長や短時間勤務制度の普及など各種両立支援制度は、他の先進国と比べて、かなり充実しています。

とはいえ、短時間制度を取りながらも管理職に登用された、出世したという例はほとんど聞きません。

短時間勤務制度を利用していても、仕事の生産性を上げて、充分に目標を達成している女性ならば、どんどん管理職に登用してもいいのではないでしょうか。

実際、北欧やアメリカでは「マネージャー業務のワークシェアリング」を進めることで、「時短リーダー」「時短マネージャー」さらには「時短役員」までいる会社はザラにあります。

その方法としては、たとえば時短勤務のリーダー同士が一つのリーダー(マネージャー)業務を「昼リーダー」「夜リーダー」という風に完全シェアするのです(もちろん、お給料も2人のリーダーがシェアすることになりますが、お互い、管理職業務を経験するという貴重な機会を手にすることができます)。

あるいは、時短勤務のリーダーが一つのリーダー業務を基本1人で遂行しながらも、その人がいない時間帯に、もう1人、バックアップのリーダーを張り付ける会社もあります。

この取り組みを実現するには、2人のリーダーがITなどを活用して、完璧に情報共通することなど様々な条件はありますが、将来的に女性役員候補などを作っていく上では、必要な投資なのではないでしょうか。