加えて入学後の問題もあります。大学が学生を選ぶだけでなく、学生が大学を選ぶという観点からすれば、大学側は魅力ある授業を提供しなければ優秀な学生を集めることはできません。東大法学部で行われている大教室での300人一斉授業など、果たしてAO入試組を満足させることができるでしょうか。なにしろ、わたしが在学していた40年前と同じ授業形式なのですから、驚いてしまいます。

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東大AO入試の問題点

今回の東大の推薦入試がうまくいくためには、これらの深刻な課題を乗り越えることが不可欠です。相当に難しい。でも、関係者の努力で乗り越えることに成功すれば、東京大学は大きく生まれ変わるでしょう。

明治以来、常に最大規模の国家予算を投入され最優秀と目される研究者を集めてきた東大は、それに見合った教育成果を挙げることを求められています(※2)。そのためには、学ぶ意欲に満ちた学生を集めなければなりません。Tehu君のような若者に見限られているようではおぼつかない。今回の推薦入試は、東大が日本を代表する大学であり続けられるかどうかの鍵を握っていると言えるでしょう。

※1:文部科学省 中央教育審議会「初等中等教育と高等教育との接続の改善について(答申)」(1999年12月16日)
※2:国立86大学の「運営費交付金」(平成25年度)は高額順に、1位東京大782億円、2位京都大520億円、3位東北大446億円、4位大阪大437億円、5位筑波大392億円、6位九州大388億円、7位北海道大357億円、8位名古屋大301億円、9位広島大244億円、10位東京工業大201億円。

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