イクボスを増やす方法

婚活もイクメンも言葉が先行して「なんか、そっちのほうが求められているらしいぞ」となると、人は動く。イクボスも同じです。

男性は非常に社会的な動物なので、「こっちのほうが社会的に受けがいい」とわかれば、そちらになびきます。保育園の送り迎えに男性が増えたのも、「彼らがやりたくてうずうずしていた」というわけではないと思いますよ。「なんか、世の中、こーゆー感じになってきているんだ」と流されてきた人も多いと思います。で、やってみたら楽しかった。子どもとも距離が縮まり、奥さんは上機嫌になる。やってみたら……が大事です。

イクボスも同じです。「やってみたら部下が動くようになった。女性の受けがよくなった」「チームでの成果も上がった」となれば、みんながそちらになびくでしょう。

さらに「イクボス」に対して、しっかり「評価」がつくといいですね。ダイバーシティ先進企業は「多様性ある部下の活躍に貢献した」ことを評価の項目に入れています。

FJの新しい仕掛け「イクボス」プロジェクトを応援しましょう。FJでは「セミナー」「フォーラム」「検定」「コンテスト」などを企画しています。

「なんか、こっちの方が受けもいいし、楽しそうだし、成果も出るんじゃない?」

そんな空気をみんなで作っていくことが、遠回りのようで「早道」なのです。

白河桃子
少子化ジャーナリスト、作家、昭和女子大女性文化研究所特別研究員、大学講師
東京生まれ、慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。婚活、妊活、女子など女性たちのキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフプラン、ライフスタイル、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティなどがテーマ。講演、テレビ出演多数。経産省「女性が輝く社会のあり方研究会」委員。著書に『女子と就活』(中公新書ラクレ)、共著に『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』(講談社+α新書)など。最新刊『格付けしあう女たち 「女子カースト」の実態』(ポプラ新書)