「守ってあげたい」と思われるには

先の調査対象は、結婚相談システムを利用した男女(約4万5000人)限定ですが、それでもスピード婚を目指すならある程度、必死の婚活は避けられない様相です。

半面、必死の婚活でも“適度な甘え”は必要。

アユミさんも、それはある程度分かっている。でもやっぱり、こう言います。

「だからって、ピンクのワンピースを着てクルンと巻き毛にしてみたり、首を斜め45度にかしげて『お菓子作りが趣味で~』なんて、露骨な女子力アピールはしたくない。そんな女に騙される男性とは、結婚したくないんです」

ふむふむ、私も似たタイプなので、気持ちはよく分かります。

ただ、以前もご紹介したとおり、男性にも女性の母性に似た“父性”がある。

とくに30代に入ると、父性を刺激するプロラクチンやオキシトシンが増える傾向にあります。多くは、女性を「助けてあげたい」「守ってあげたい」との気持ちが、ムクムクと強くなってくるのです。

これを婚活に、利用しない手はありません。

そこで、露骨に女子力をアピールすることなく、自然な形で“甘え”を活かす手法について、マーケティングの法則に絡めながらご紹介しましょう。

皆さんは、【フット・イン・ザ・ドア】と呼ばれるテクニックをご存じですか?

営業マンの方は、「ああ」と気づくかもしれません。本命の要求を通すために、まず簡単なお願いからスタートし、段階的に要求レベルを上げていく方法。

営業現場で、よく使われるテクニックです。

たとえば新聞の営業マンが、皆さんの家のベルをピンポーンと押した場合。

最初から、「すみません、うちの新聞を1年分、とってもらえますか?」と言われたら、たいていの人は「1年間なんて、とんでもない!」と、カギを開けることさえしないでしょう。

でも、「お話だけ聞いて頂けますか?」とか、「おトクな情報をお持ちしたので」などといわれれば、「それぐらいなら」と気が緩め、ドアを開ける。

そこでようやく、「半年でいいので」「3カ月のうち1カ月分は無料にしますので」と少しだけハードルを上げた“お願い”をして、契約に結びつける。

これが【フット・イン・ザ・ドア】、すなわち、ちょっとしたドアのすき間に足を入れ、そこから少しずつドアをこじ開けていく(契約に至らせる)手法です。