海外への留学生数は、2000年の19万4000人をピークに09年まではテロやSARSなどの影響もあり、低迷が続いていた。それが10年から上向きに転じている。その背景には、大手企業を中心としたグローバル戦略の深化がある。語学力や国際感覚にすぐれた人材採用を積極化させ、それに学生や社会人が呼応した形だ。

海外への留学生の数 推移
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海外への留学生の数 推移

海外留学をサポートする留学ジャーナルの加藤ゆかり副社長は「00年代に入って、18歳人口の頭打ちと大学全入時代を迎えたことを背景に、留学意欲は落ち込んでいました。ところがグローバル人材へのニーズが顕著になった10年には、留学生の数が当社推定で約18万3000人と、前年比18%の増加。この傾向は今年も変わらず、1割は確実に伸びて20万人を超しそうです」と見ている。

2011年は円高も追い風といっていい。「特に夏休みや春休みを利用する短期語学留学は円高のメリットを享受できるでしょう」と加藤さんは話す。一方、東日本大震災の影響は限定的だ。同社への相談者数が、社会人は発災月の3月に、大学生は5月にそれぞれ鈍化したが、件数そのものはすべての月で10年を上回り、留学志向の回復を裏付けている。

同社を利用した留学生が身につけようとしているのは、語学力、コミュニケーション能力、海外経験だという。語学力とはイコール英語力だ。必然的に人気エリアはカナダ、アメリカ、イギリスとなり、合わせて7割近くに達する。当面はこの3国を中心に留学生は増加していきそうだ。