雪印メグミルク ナチュレ 恵 megumi 
小腸に長くとどまり腸内環境を整え、メタボを改善する乳酸菌のガセリ菌SP株と、ビフィズス菌SP株を配合。

機能性ヨーグルトとは一口に言えば、特別な機能を持つ乳酸菌やたんぱく質を加えたものである。たとえば明治の「R-1」は免疫力を高めてインフルエンザを予防する乳酸菌1073R-1、「LG21」にはピロリ菌を抑制するLG21乳酸菌、雪印メグミルク「恵 megumi」には小腸に長くとどまりメタボを改善する乳酸菌のガセリ菌SP株がそれぞれ使用されている。森永乳業「ラクトフェリンヨーグルト」に入っている母乳などに含まれるたんぱく質ラクトフェリンは、ノロウイルス感染を予防する効果が認められており、「ビヒダスBB536」のビフィズス菌BB536は花粉症の症状を緩和させる。

これらの商品が2010年頃から次々と発売され、テレビで「インフルエンザ予防になる」「ノロにも花粉症にも効く」と紹介されると、一気に火がついた。10年までの数年間ずっと横ばいだった市場全体の売り上げが、11年度は前年比107%、12年度は前年比109%(いずれも明治推定)と成長。大手3社とも、13年度も同程度の伸びと推測している。過去2回のヨーグルトブームが、成長の後、下降はしなかったもののすぐに停滞したのに対し、機能性ヨーグルトが牽引する今回のブームは、3年目を迎えたいまでも成長し続けているのである。

機能性ヨーグルトだけに絞ると、さらに驚異的な数字が並ぶ。

図を拡大
ヨーグルト市場は拡大の一途

明治は12年度のヨーグルト売り上げ約1414億円(前年比約123%)のうち、機能性ヨーグルトにあたるプロバイオティクスヨーグルト群は570億円(前年比約153%)、13年度は671億円を見込む。

雪印メグミルクの「恵 megumi」ブランドは、具体的な売り上げは非公開だが、13年4~12月で前年比120%を達成。

森永乳業の「ビヒダス」ブランドは12年度に約300億円と、前年比118%の伸びを示し、13年度も同程度伸長の見込み。「ラクトフェリンヨーグルト」に至っては、13年度の売り上げはなんと前年比約300%を見込む。ノロウイルスが世間を騒がせ始めた昨年12月には、テレビや新聞がこぞってラクトフェリンヨーグルトを取り上げ、9日にNHKが情報番組で紹介すると、その日から1週間の売り上げが前年同期比770%と、耳を疑う数字を叩き出したという。