リフォームで大切なのは、まずはわが家の診断。どのくらいの期間を誰とどう暮らすのか。さらには、どのような付加価値がつけられるのか。全体像を整理することで、はじめて予算も見えてくる。フィフティ・プラス世代が実際に住まう5好例を集めた。

リビングを明るく、
定年後に夫婦で並んで使える書斎を


 定年を間近に控え、お子さん2人も巣立った今、夫婦の終の棲家にしようと、三鷹駅にほど近いマンションを購入したKさん。キッチンや浴室など水回り設備は以前の持ち主によって最近取り替えられていましたが、リビングダイニングが暗いのが気になりました。周りを高い建物に囲まれているうえ、南側の個室に遮られ、中央のリビングダイニングに光が十分届かないのです。

そこでKさん夫妻は、マンション全体の修繕計画をしているパルティータ建築工房に連絡してみることに。

相談を受けた建築家の森岡篤さんは、「リフォームの方法は主に2通り。一つは建築士にリフォーム設計を依頼し、施工会社の選択、工事監理を任せる方法です。二つ目は工務店やリフォーム会社と契約して設計と工事を任せるやり方。前者は設計監理料が発生するけれど、建築士がプロとして住み手の代理となり、意思を工務店に伝え、工事費の管理や施工チェックをしてくれます。後者はそれらの過程を、住み手自らが工務店と直接交渉しながら進める必要がある」ことなどを説明します。

Kさん夫妻はどちらがいいか考えました。前者は工事費とは別に監理の費用が発生することが気になりましたが、自分で工務店と直接交渉する時間もないし、工務店の言い分を判断する知識もないことに気づき、前者を選択することに。専門家に任す安心感があり、工務店より建築士のほうが気さくに相談できると思ったからです。