英王室御用達の超高級ホテル「クラリッジ」を舞台に、ホテル運営の内幕を描いたノンフィクション。宿泊客が持ち込むさまざまな難題をホテルマンたちがどう解決するかが読みどころ。クラリッジ初のフランス人総支配人が、伝統を重んじながら経営近代化を実現するまでのビジネス書としても読むことができる。

事件の多くはレストランでも起こりがち。外食産業に身を置く者として、同じ対応をしていることにニヤリとしたり、意外な対応にうならされたりと読み返すたび新しい発見がある。変わらず感じるのは、ホテルにおける接客の深さと面白さだ。将来ホテル経営に乗り出すための予習として、旅に出るときはいつも本書を携えている。