肩肘を張っていた営業時代

日本サブウェイ 取締役 庵原リサさん。営業統括本部長。

私がサントリーに入社したのは、外食産業に関わりたかったからです。もう亡くなった祖母が昔、料理旅館をやっていた影響もあって食べることが好きでした。バブル真っ盛りの高校時代、若い人向けのお洒落な飲食店は増えましたが、祖母と入れるようなお店はあまり見つかりません。年齢に関係なく入れるお店を作りたいと思いました。

サントリーでは財務部を振り出しに、当時、女性も営業に出そうという会社方針を受けて私も酒屋さん相手の個店営業に回りました。会社で初めての女性営業職でした。女性の営業マンとしては、損得は半々でしょうか。男性と同じように酒店の倉庫の掃除から自動販売機の補充の手伝いまで、取引をしてもらうために果敢に攻めました。男に出来るなら自分に出来ないはずがないと肩肘張りつつ仕事をしていました。

まだプレミアムモルツがヒットする前で、ビールを売り込むのが本当に困難でした。男性並みの体力があったらなあ、家でご飯を作ってくれる奥さんのいる男性はいいなあと思ったこともあります。店主から「女なんかで大丈夫?」と言われて悔しい思いもしました。でも、女だから顔を覚えてもらいやすいし、ちょっと頑張ったら社内で目立つ利点もありました。