12年に大ブレーク。「フルグラ」の朝食革命

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フルグラ売上高

“野菜の素揚げ”と同時に大きな可能性を秘めているのが、フルグラである。

カルビーがシリアル市場に参入したのは88年だが、フルグラは11年から12年にかけて大ブレーク、前年比160%の売り上げを記録している。工場がフル稼働しても間に合わないほどの売れ行きだが、実は、このブレークのキーワードも「脱出」なのである。マーケティング本部フルグラ担当の網干弓子が言う。

カルビー マーケティング本部フルグラ事業部商品企画担当 網干弓子

「日本のシリアル市場はずっと伸び悩んでいましたが、それは私たちが間違いを犯していたからです。何かというと、『シリアルは健康的で簡便性の高い朝食です』と謳い続けてきたことです。簡便性を強調することによって、主婦はむしろ手抜きをしているという罪悪感を持ってしまったのです」

そこでカルビーは、「健康」ではなく「おいしさ」を前面に打ち出すと同時に、シリアルユーザーではなくヨーグルトユーザーにターゲットを絞ったマーケティングへの切り替えを図った。ヨーグルトのようにフルグラと相性のいい食品を探し出してそのユーザーを取り込んでいこうという、まさに脱シリアル戦略である。

「パンとベーコンと卵とサラダに牛乳があって、そこにフルグラが入ったヨーグルトが並んでいる、という朝食のイメージを打ち出しました。こうしたワンディッシュではない訴求の仕方をしたことで、手抜きの罪悪感とも決別していただけたのではないでしょうか」