聞き手に満足感を与える、自分らしい訴求力

人前に出て何かを伝えるとき、自信を持つだけで姿勢が大きく変わり、自然と声も大きくなる。それだけでも聞く人の心理は、あなたへの信頼へと大きく傾くだろう。

そして内容はもちろんこと、自分自身、聞き手、スライド、会場の大きさなどすべてを含めて計算して感覚を刺激し、そこに見えているもの以上のものを感じさせることが必要だという。

「“期待を超えた(Exceed Expectations)”プレゼンが、人を引き付けます。日本人は感情表現が苦手で、感情を表に出すことがよくないと考えがちです。でも、自分が伝える情報に迷わず、自信を持って伝えることは大切です」

日本人は、欧米人の彫りの深い顔立ちに比べてのっぺりとして表情が乏しく見えてしまいがちだとされる。表情をイキイキとさせる意識を持つだけでも、相手が持つ印象は大きく変わってくる。

「論理的な思考だけでなく、プレゼンスや感覚的な刺激も含め、すべてがマルチでつなげて伝えることで、自分が伝えたい情報はより伝わりやすくなり、価値を高めるでしょう。こうしてオーディエンスは、こちらが薦めた内容にも関わらず、自分自身が“選択をした”と感じるようになります」

感情豊かに相手にプレゼンをする、話を伝えるだけで、相手はその話を受け入れやすくなる。ジェスチャーもそのひとつ。動きで伝えたい言葉そのものを強めたり、印象付けたりすることも可能になり、話のインパクトは強まり、聞き手自らが行動をおこしたくなるだろう。そして、“聞き手自身が選択した”という感覚は、聞き手の満足感にもつなげられるというわけだ。