中京でもう一つ目に付くのが、トヨタグループの本社、工場などのあるエリア。ランキングで見ると愛知県刈谷市、日進市が主なところで、特に日進市は名古屋市、豊田市、双方へのアクセスがよく、このところの宅地化が目立つ。

だが、名古屋市外の住宅地に関しては、マンションだけでなく、一戸建ての動向も考えたいところ。車社会の中京エリアでは、駐車場代が別途必要になるマンションよりも、一戸建てのほうが人気が高い。核家族化が進み、共有施設の充実した大規模マンション増で、マンションのよさに気付く人が増えているものの、それでもマンションは仮住まい、いずれは一戸建てという人は多い。

「一戸建ても含めて市場動向を考えると、安城市はもっと評価されていいはずですし、今後は高浜市や東浦町なども宅地化が進むはずです」(栗崎氏)

住宅関連情報は首都圏を中心に考えることが多いが、当然、地域によって違いはある。首都圏の大手デベロッパーの進出が著しいとはいえ、将来性を考えるにあたっては、地域の特徴を意識することも大事だろう。

中山登志朗
東京カンテイ市場調査部上席主任研究員。現在、不動産市況全般の調査・分析を担当している。市況レポート「Kantei eye」編集長。金融機関やデベロッパーに幅広い人脈を持ち、講演などで活躍している。
栗崎始弘
エーシーアイ代表取締役。18年間賃貸住宅事業・流通店舗事業に携わった後、開発型不動産証券化事業を担当。2011年独立。個人投資家向け市場調査・不動産投資分析を行っている。
(山口典利=撮影)
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