一方で、郊外の大規模マンションでは売れ行きが振るわないところも出てきており、立地による選別が進んでいることが窺える。

もう一つ、根強い人気が窺えるのは大阪市と神戸市に挟まれた阪神間エリア。ランキングでは神戸市灘区、東灘区、西宮市、芦屋市が挙がっており、関西のブランド住宅地エリアともいえる。

「なかでもお屋敷街が揃っている阪急沿線は、駅単位のリセールバリューで見ると、行政区よりも高い場所があるはずです。ただ、かつては眺望、環境に恵まれた高台が人気だったものの、最近は坂道アプローチが敬遠されることもあるようです」(田中氏)

今後、期待できるエリアとして挙げられるのが近鉄沿線。「09年の阪神なんば線の延伸・開通で大阪難波を経て神戸から奈良までがつながり、阪神と近鉄が相互直通運転を始めましたが、そのうち、コンスタントに開発を手がけてきている近鉄が有利ではないかと思います。最近では生駒駅前の再開発、近鉄奈良線、京阪線沿線などの一戸建て分譲も増えています」(中山氏)

中山登志朗
東京カンテイ市場調査部上席主任研究員。現在、不動産市況全般の調査・分析を担当している。市況レポート「Kantei eye」編集長。金融機関やデベロッパーに幅広い人脈を持ち、講演などで活躍している。
田中和彦
コミュニティ・ラボ代表。リクルートコスモス(現コスモスイニシア)等を経て現職。ネットサイトの「All About」で「住みやすい街選び(関西)」ガイドも担当。関西の街の魅力を発信している。
(熊谷武二=撮影)
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