なぜこれほどまでに、スナップチャットが支持されるのか。筆者なりに考えてみたが、あれこれ理由を考えるよりも、スナップチャットの流行という現実から、いまの時代の「気分」を感じた方が、正確なようでもある。

ではその気分とは何か。1つは、スナップチャットが、実にスマートフォン時代らしいSNSであるということ。その理由は、これまた単純な話だが、取り扱うコミュニケーション媒体が「写真」であるということだ。

画像撮影(カメラ)機能は、あらゆるスマートフォンに共通して搭載されており、またそれらが共通して進化を遂げてきた機能でもある。この結果、コンパクトデジタルカメラの市場はもはや消滅の危機を迎えている。

そのカメラを使ったコミュニケーションが、スマートフォンの特徴となっているのは、これまでのフェイスブックやツイッターを見ても明らかだ。前述したインスタグラムに高値が付いたのも、それらのSNSの写真投稿機能を拡張するものだから、という理由が大きい。一方、その写真によるコミュニケーションを中心に据え、その利便性を考え抜いたサービスは、あまり見かけなかった。ある意味で「瓢箪から駒」でもある。日本のフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)におけるデータ通信は、いわゆる「写メール」を転機に大きく変化し、以後それが日常のものとして定着した。そうした歴史をひもとけば、彼らはその必然を正しく受け止めたとも言える。

ではその「正しく受け止めた」とはどういうことか。おそらく、同サービスの最大の特徴である「短時間でメッセージが消える」という機能が、大きく支持を集めているのだろう。