「老後は悠々自適に過ごしたい」という人も少なくありません。しかしこの考えはきわめて曖昧です。具体的なプランがなければ、暇を持てあますだけで、ちっとも幸せではないはずです。

リタイア後の生活を具体的に描き、そのためにいくら必要なのかを考えなくてはいけません。もし具体的なイメージを持つことが難しいのであれば、私は「生涯現役」を前提にするのがいいと思います。

公的年金制度は、このままでは必ず破綻します。年金支給開始年齢は段階的に引き上げられ、定年年齢の延長もあわせて行われるはずです。「高年齢者雇用安定法」の改正で、13年4月からは定年年齢が原則として65歳となりましたが、これは年金支給開始年齢の引き上げと軌を一にしています。日本社会も「生涯現役」の仕組みに、変わっていこうとしているのです。

働き続けることを前提にすれば、多額の老後資金は必要ありません。とりあえずは300万円程度で十分。もちろん貯金はあればあるほどいい。しかしそれは「いざというときの備え」です。間違っても「お金に働いてもらう」といった考え方はやめましょう。

今のところ、確実に高利回りを得られる金融商品はありません。投資には必ずリスクがある。たとえば1000万円の自己資金がある人であれば、700万円は定期預金など元本保証型の商品として、リスクのある金融商品は300万円に抑えたほうがいいでしょう。その場合、国内の優良企業の社債がいいと思います。トヨタ自動車や三菱東京UFJ銀行といった国内経済の中核を担う企業の社債であれば、比較的リスクは小さいと思います。