どうやら手書きとタイピングでは脳の働く場所が違い、手書きのほうが言語処理に関係する部位が活発に働くようです。

こうした研究結果を引くまでもなく、私たちは手書きが記憶に役立つことを経験的に知っているはずです。

小学生のころ、漢字を覚えるためにひたすら漢字ドリルをやった人は多いはずです。あれは文字を書く動作をひたすら繰り返すことで、五感全体を使って漢字を脳に刻み込んでいるのです。デジタル全盛時代になっても、漢字を覚えるときのやり方は同じ。手を使ってひたすら書くことが一番です。

紙に書き出して自分を振り返る中で出てきた問題を意識に植えつけるときも、漢字ドリル方式が理想だと思います。

すなわち、「毎日、手書きする」です。

そうすることで、問題意識が深く刷り込まれて、自然に問題に心を留めるようになります。24時間365日体制で考えれば、解決策の発見ももうすぐです。

スマホやパソコンなどデジタルの利便性を活かしながらなお、私が手書きをおすすめするのは、単なる懐古趣味ではなくそういった意図があるのです。

中司祉岐(なかづか・よしき)
株式会社日報ステーション代表取締役。経営日報の“赤ペン指導”で売り上げを倍増させる日報コンサルタント。クライアントからは、FC、特定ブランドで売り上げ日本一を多数輩出している。高校卒業後、零細飲食店に入社。集客を担当し来店者数10倍、客単価2倍を実現。その後、勤務した大手アパレルチェーンでは、販売員として全国トップテンに入る業績を上げる。その営業・販売の実績を買われ、零細企業の創業、事業立て直し支援事業に従事。そこで中小零細企業こそ少しの工夫で成果が出せると気づき、株式会社ビジフォーム(現・株式会社日報ステーション)を設立。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づく なかづか日報』(経済界)、『小さなひらめきが成果に変わる A4マイ日報で「勝ちパターン」仕事術』(幻冬舎ルネッサンス)がある。
※日報ステーション http://nippo-st.com/
(撮影=よねくらりょう)
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