時短を取らないと5時に帰れないという現実

もっとも、子どもが乳児の時期を過ぎれば、本当は時短勤務を辞めたいと思っているママさん社員は数多く存在します。

それでも、なかなか時短を辞められないのは、なぜでしょう?

それは、日本の会社の場合、特に総合職は、時短をやめると宣言することは、無制限の残業を受け入れると言っているのと同義だからです。

ここで改めて、日本の労働基準法を読み返してみると、「使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。」とあります。

しかし、誤解を恐れずに言うなら、日本の総合職に対しては、労働基準法はあってないがごとしです。

もし、この法令が順守されるのなら、日本のワーキングマザーの大半は、何も時短勤務を取得する必要がなくなるのではないでしょうか?

本当に、就業時間が9時から5時までなら、保育園の送り迎えにも充分間に合うでしょう。

だが、現実に、日本の総合職は9時から5時までの「フルタイム勤務」なのではなく、9時から無制限の「オーバータイム勤務」が常識と化しています。

だからこそ、総合職のワーキングマザーは「時短」をとらざるを得ないのです。

つまり、「時短」を取るということは、「残業できません」というシグナルを出しているだけ。

断じて、仕事に対してやる気がないとか、責任を取る気がないということではないのです。

くどいようですが、時短の人の多くは、「パートタイム」ではなく、実質はしっかり「フルタイム」で働いています。しかし、「オーバータイム(残業)」をしないがために、「パートタイム」扱いされてしまうのです。