2014年1月24日(金)

ソウル発 簡単キムチ知恵袋【1】万能薬念の作り方

dancyu 2012年2月号

文・杉本伸子 撮影・飯貝拓司 教える人:崔 智恩(韓国料理家)

韓国の家庭の食卓のように、サラダのように、毎日もりもりキムチを食べたい……。身近な野菜と“キムチの素”で、簡単に本格派のキムチをつくってみよう!

「大根、白菜取り入れて、漬物漬けよう。唐辛子、にんにく、塩辛を程よく入れ、大瓶にも漬け、中瓶にも漬け、小瓶や壺にも漬けなされ……」。これは昔々のキムチづくり奨励の唄。かの地の人々にとってキムチがどれほど大切なものであったか。いや、それは現代でも同じだ。

デパートのキムチ売り場や市場に行けば、白菜、大根、えごまの葉、からし菜、きゅうり、芋づる、たんぽぽの根っこに似たもの、山菜、日本では見たことのない葉物のキムチも並んでいる。しかしこれらはほんの一部。大根一つにしても小さな大根、間引いたものの葉を賞味するもの、大きな大根など数種もあるし、郷土の特産品まで含めるとその数は200とも400種類ともいわれている。

ヘルシーかつ、美しい肌をつくるキムチを自分でもつくってみたい。とはいえ、キムチは日本の漬物のように、極端にいえば塩と糠があればできるものではなく、複合的な旨味を出すための調味料からして複雑だ。そして、出来上がったキムチを適温で保存し、ゆるやかに発酵を促すキムチ冷蔵庫もない。本場の味をつくり出すのは、至難の業かも……。

助け船を出してくれたのは、チェ・ジウンさんだ。小柄で細身のチェさんは、魚も肉もほとんど食べないが、数日の徹夜はへっちゃらという体力の持ち主。そのエネルギーの源は、「ご飯とキムチ」なのだそう。どんなときにも、キムチがないと始まらない。そんな彼女が考えたのが、万能薬念(ヤンニョム)。いわば自家製“キムチの素”だ。これさえ仕込んでおけば、思い立ったときにすぐキムチを漬けられるし、ご飯のおかずになる。

万能薬念のポイントは、ベースとなる、もち粉でつくる糊。この糊が、発酵を早める効果と優しい甘味を添えることで、漬けてすぐにおいしく食べることができるのだ。

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杉本 伸子