「関係の濃さ」で決まる不祝儀

一方、不祝儀事情はどうか。

かわいがってくれた上司が急逝。こんな場合は生前の感謝の意を込めて、多く包みたくなるのが人情だが……。

「不祝儀は、がんばって多く包むものではありません」と言うのは、日本初の葬儀相談員として活躍する市川愛さんだ。

「基準は、遺族を中心にした円で考えるといいでしょう。遺族の外に親族、その外に親友やとてもお世話になった人などの関係が濃い人、その外に友人や同僚などの関係が薄い人と、格で区切ります。金額は親族が3万円程度、次が1万円、その次が5000円です」

不祝儀は、この「格」を超えないのがマナーだという。また、30代以上になると年齢によって変える必要はないが、20代ならば、自分より上の人の金額を超えないのがマナーだそうだ。

親族ではないが、とてもお世話になった人に1万円しか包まないのは心苦しいという場合は、「供花などを贈るといいでしょう」と市川さん。不祝儀には 遺族からの返礼があり、返礼はもらった金額の半返しが一般的。相場を無視した額を包むと、遺族を困らせることになるのだ。不祝儀は「関係の濃さ」を基にし た「相場どおり」にするのがマナーなのである。

これでOK!葬儀の不祝儀

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葬儀の不祝儀

●(1)親族(2)関係が濃い間柄(親友など)(3)関係が薄い間柄(同僚など)の順で金額が下がる。
●親族に近い人の金額を「超えない」のがマナー。
●20代は自分より上の人の金額を「超えない」のがマナー。
●金額は5000円、1万円、3万円、5万円、10万円のいずれかに。偶数は避ける。
●篤く弔意を表したい場合は、金額を増やすのではなく、別途供花などを贈る。