“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

30歳を過ぎると、身体の基礎代謝が落ちてくるために太りやすくなります。若い時と同じだけ食べてしまうとカロリーオーバー。

それほど食べ過ぎているとも思えないのに、気がつけばお腹の周りに肉がついた「中年太り」体型になってしまったとお嘆きの方も多いことでしょう。

かつてのスリムなスタイルをいま一度!と、厳しいカロリー制限をした食事ダイエットに励もうとする方がいますが、ちょっとお待ちください。これは大変危険な行為です。

極端にカロリーを減らした食事制限によるダイエットの場合、摂取する栄養分も減って栄養不足に陥ります。中高年だけでなくあらゆる世代の方にもお勧めできません。

健康面への影響だけでなく、ダイエット法としてもお勧めできません。

極端な食事制限をすると、大事な筋肉までも減ってしまうからです。

ダイエットを行うと通常、まず、血中脂肪が使われ、その次に内臓についている内臓脂肪が使われます。そして最後に肥満の人が最も減らしたいと考える皮下脂肪が燃焼されます。皮下脂肪を減らすには、時間がかかるのです。

もし低カロリーの食事制限のみのダイエットを行うと、皮下脂肪が減り始める前に筋肉がやせ細ってしまいます。その結果体重は減っても、体脂肪率は逆に上がるという大変不健康な状態になります。